2013年04月21日

漫画レビュー『バーナード嬢曰く。』

4月19日に、施川ユウキ氏の新作コミックスが3冊同時リリースされました。
自分はこの漫画家さんの描く独特のダウナー系ギャグが昔から好きで、
氏のコミックスは全て購入していますが、今回は3冊も同時に読めるなんて
かなりお腹いっぱい楽しめて最高でした。 3冊の中でも、特に気に入ったのがこの作品です。



学校の図書室を舞台にしたギャグ漫画です。
ろくに本を読まないのに読書家キャラを気取りたがっている 「バーナード嬢」こと町田さわ子が
浅い知識で色んな有名な本や作家などについて語る様子が面白い。
中身を読んでいないがゆえに名著や名言に対する解釈が実にフリーダムで、
いかにもイメージだけで語ってる感がバリバリで、それがギャグとして笑えますw
読書家らしく見えるようにかっこつけをしたがる、その痛々しさが あるある、って感じで面白いですね。

そして、彼女のそんな言動に対して、普通に読書好きである他の登場人物たちが
ツッコミを入れたりするわけです。
さわ子を中心に、図書室に入り浸っている5人ほどのキャラたちが登場しますが、
どのキャラクターもしっかりと本の趣味が違っていて、
性格付けも本の趣味に合わせて描き分けられているのがいいですね。
おかげで様々なジャンルの本や作家が取り上げられてます。
国内のヒット作や古典から、海外のSFや絵本、聖書などまで幅広く。
唯一の男性キャラである遠藤をはじめ、みんな他のキャラと絡んで
面白い読書語りを繰り広げてくれますが、 特に、SFファンの神林さんが登場する話はハズレが無い。
こだわりが深くて、にわか的な発言をする人が許せず やたらと口うるさく、そして語りたがりと、
ディープなSFファンらしいなあと思わせる特徴がしっかりと出たキャラクターで、
こんなキャラだから、さわ子みたいなキャラとは相性が最高です。 ギャグ漫画的な意味でw

ただ、神林がさわ子にオススメのSFなどを聞かれたりして、
それに答えて本を貸してやったりする流れで、 自然とSF小説やSF作家に関する語りが繰り広げられ、
それがすごく SF小説を読んでみたい、と思わせる内容なんですね。
個人的に、グレッグ・イーガンの小説のわけがわからなさに関するくだりは最高でした。
わけがわからないなりの楽しみ方をSF好きの見地から神林が語るシーンは なるほど! 
と素直に思わされるし、実際にすごく読んでみたくなりました。

そんな具合で、単なる本をネタにしたギャグにとどまらず、
本を読みたいという気分にさせてくれる漫画になっていて、 そこがすごく良かったと思いました。
それに単純に漫画としても面白いです、
普段の施川ユウキ作品と比べると、ダウナーさやほのぼのさといった独自の色は薄めですが、
その分、ボケとツッコミにキレがあって、 ギャグ漫画としては真っ当な面白さだったなと思います。
何はともあれ、これはかなりオススメの作品ですね。
同時発売の三冊の中では、一番万人向けじゃないかな、と。

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