2013年04月23日

漫画レビュー『鬱ごはん 1巻』

 今回は、4月19日にリリースされた施川ユウキ氏のコミックス三冊のうち
二冊目に読んだ作品について感想を書いていこうと思います。 タイトルはこちら。



 食事をネタにした漫画って、近年では『孤独のグルメ』のドラマ化とかが記憶に新しいかなあ。
それ以外にもグルメ漫画って色々なものがありますが、たいていは食事の醍醐味を強調した、
食欲を刺激されるような方向性のものが多いと思います。  

でも、この『鬱ごはん』はまったく逆でした…… ずいぶんとダウナーで、食欲がそそられるどころか
逆に無くなってしまうような、 そんな作風です。  

一人暮らしの非正規雇用の青年が主人公なのですが、そんな境遇なだけに、
扱われている食事はファミレスや牛丼屋を皮切りに安いものがほとんど。
で、とにかく注文時に失敗などをして周りの視線にさらされることを極度に警戒したり、
実際に失敗して恥ずかしい思いをしたり、
他にも、飲み物をこぼして揚げ物を台無しにしてしまうなどのことを始めとした
食べ物をダメにしてしまうような失敗などをしたりと、
見てていたたまれなくなるようなオチの話が数多く描かれています。

で、まあ、とにかく作中で描かれている食事は、どれもこれも実においしくなさそうで、
よくもこれだけ食欲を減退させるメシ漫画を描けるなあと感心するぐらいです。
つーかこの主人公、さすがにいちいち周りを気にしすぎだと思うw
神経質さとマイナス思考ぶりが物凄く、 このへんは漫画ゆえに強調されてる面もあるでしょうね。  

とはいえ、これに描かれているような失敗は、
誰しもがいくつかは似たようなことを経験したことがありそうですし、
自分としても部分的には主人公の気持ちに共感できましたし、
「あるある」漫画として楽しむことはできます。
作者の体験談もかなりの割合で含まれているそうで、 そのせいか描写にはリアリティもあります。
ギャグ漫画としても質はなかなかで、その失敗っぷりやメシのマズさっぷりが見事すぎて、
読んでいてプッと笑ってしまうシーンがいくつもありました。

でも、この漫画を一気に最後まで読んでいくと、どんどん鬱な気分になっていくので危険ですw
笑いながら鬱になっていく。
特に非正規雇用で一人暮らししてたり、無職だったりして、
毎日鬱っぽい気分で過ごしているような人には あんまりオススメできない漫画かなあ、って思います。
ダウナー系ギャグ漫画としてはなかなかの面白さはあり、楽しんで読みはしましたが、
とりあえず何か食いながらこの漫画を読むのはやめたほうがいい。それは間違いない!  

ただ、本作の主人公の姿を見て、反面教師にするのもいいかもしれないです。
これを読めば、おいしくない食事の取り方を客観的にとらえることができますから、
自分の食事スタイルを改めて考えるきっかけにできるかもしれないですしね。    

そんな感じで、さすが施川ユウキというか、個性的な内容の作品でした……
これは第1巻って数字が打ってあるから、続刊も出るのかな?
続きが読めるなら、楽しみなようなこれ以上鬱になりたくないような、そんな複雑な気分です。

22:07|この記事のURLコメント(0)トラックバック(0)漫画レビュー  このエントリーを含むはてなブックマーク  mixiチェック

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
自己紹介
ニックネーム:houtengageki

自己紹介:エロゲーマー。
エロゲー批評空間で
エロゲーやギャルゲーの
レビューとかしてます。

Twitter:houten_kouta
批評空間:houtengageki

当ブログ、上記リンク先ともに
18禁ゲームの話題を
扱うことがありますので、
18歳未満の方は
閲覧をご遠慮ください。

リンクフリーです