2023年08月01日

イースⅧ -Lacrimosa of DANA- 感想

 めちゃくちゃ久々にブログを更新。
あまりに面白いゲームだったので、長文で感想を残しておきたくなったのです。
というわけで、イースⅧ -Lacrimosa of DANA- の感想となります。

イースVIII -Lacrimosa of DANA- - PS4
日本ファルコム
2017-05-25



 画像はPS4版ですが僕がプレイしたのはSteam版です。

 イースシリーズといえば日本ファルコムの看板タイトルですが、
その中でも、このイースⅧは評価が高いことで知られているようです。
ただ、自分はこのシリーズはSFCのイースⅤを最後に
プレイしていませんでした。
 Ⅷは友人が高い評価をしていたので、それなら自分もやってみようと思い
今回、二十年ぶりくらいにイースシリーズをプレイしました。

 ストーリーは、主人公アドルの乗った客船が魔物に襲われて沈んでしまい、
呪われた島と呼ばれるセイレン島に
アドルを含む乗客たちが流れついたところから始まります。
 序盤は漂流者たちが協力しあって村を作り、島から脱出して生還を目指すという
無人島漂流モノのサバイバルストーリーが展開していきます。
 同じ漂流者ということで、極限状態の中で互いに信頼関係を築きながら
キャラクターたちの内面の魅力が描かれていき、
後半へ向けて盛り上がっていくという流れが実に秀逸でしたし
漂流者たちはそれぞれ違った立場や事情を抱えていて、
みな個性的かつ魅力的でした。

 そして、島から脱出することを目的としながらも
セイレン島を探索していくうちに、この島に秘められた謎に迫っていくという
イースシリーズらしい冒険も描かれていきます。
 「島からの脱出」と「島の秘密に迫る」という、
本作のストーリーにおける二つの軸は、
前半と後半で比重が変わっていきますが、
最後までどちらもないがしろにされることなく
噛み合いながら盛り上がっていくのが上手いなと思いました。

 ゲームシステムにしても、島の探索をしながら、
島の各地に漂着している乗客たちを救出していくことで
漂流村が発展していって、やれることが増えていくのは面白いですし、
探索を進めていくうちに島の地図がだんだん完成していくのも楽しく、
新たなダンジョンを発見したときや新しいエリアに進めるようになったときの
わくわく感も凄いですし、探索要素は非常によくできていると思います。
 主人公アドルは冒険家ということで好奇心旺盛な青年ですが
そのおかげで、サバイバル生活をしつつも島の探索を積極的に進めていくという展開に自然さがあるのがいいですね。

 そして、3Dアクションゲームとしても非常に面白く作られており、
操作性が抜群に良くてキビキビとキャラが動いてくれるし
アクションの爽快感が素晴らしい。
 主人公アドルを始め、プレイヤーが使用できるキャラクターはどれも
それぞれに個性的かつダイナミックなアクションをしてくれて
モンスターとの戦闘がとても気持ちよく、かつ楽しいものになっています。
キャラそれぞれに豊富に用意されているスキルを最大4つまで選んで装備し
戦闘で使い分けて戦っていくわけですが、
スキルが個性的な性能をしているものが多く、使い分けるのが楽しいですね。
さらに、ゲージを消費して繰り出すエクストラスキル、いわゆる超必殺技の気持ちよさも素晴らしく
しかも結構連発できるので非常に気持ちがいいです。

 最終的に6人いる使用キャラは全員それぞれ使い勝手が違いますが
使いやすさの差や、ボス戦に強いとか雑魚戦に強いとかの特徴はあるものの
どのキャラもしっかり強みはあって、明らかに弱いキャラはおらず
素晴らしくキャラバランスが取れています。

 ゲームバランスも良く、ザコ敵もボスもほどよい手応えがありますし
3Dアクションゲームとしてちょうどいい難易度に感じました。
難しいと感じたなら難度変更もでき、その気になればアイテムを使ったゴリ押しもできますし、
さらに昔のイースと違って最大6人パーティとなるので、操作しているキャラが倒れても
他のキャラにチェンジして戦えるので、ゲームオーバーになりにくくなっていますね。
このあたりはヌルゲー化の恐れもありますが、
そうならないようギリギリのところでバランスが取れていたと思います。

 戦闘だけでなくダンジョンやフィールドのギミックもなかなか良くできていて
アクション性も高いですし、攻略が楽しかったです。
謎解きも多いですが、基本的には詰まるほどの難しさはなく
ほどよく考えさせて最終的には無理なく突破できるバランスになっているところが
とても良好ですね。


 また、戦闘では回避と防御に関連する2つのシステムが気持ちよさを生んでいます。
相手の攻撃をギリギリで避けるとフラッシュムーブというものが発動し
敵の動きがスローモーションになる効果が得られ、
ギリギリでガードするとフラッシュカードというものが発動して
一定時間無敵になって攻撃し放題になる、
というものですが……
この2つのシステムは、どちらも発動に成功すると非常に戦闘が有利になるのですが
相手の動きを見切って発動できた、という感触を味わわせてくれるようになっているので
単純に気持ちがいいですし、効果も大きいのでそこからの一方的な攻めは爽快そのもの。
敵の攻撃を覚えれば覚えるほどフラッシュムーブもフラッシュカードも取りやすくなるので、上手くなったという手応えが得られやすく、上達を実感させてくれる良いシステムです。
 このシステムは過去作のイース7やセルセタの樹海からあったもののようですが
とても良いシステムだと思いました。今後のイースシリーズにもずっと導入し続けて欲しいです。



 キャラクターやストーリーの話に戻りますが、
この作品は何と言ってもキャラクターが非常に良いですね。
メインの6人はもちろん脇を固めるキャラクターまで魅力的なキャラばかり。
特に、アドルと対のような形になっているもう一人の主人公ダーナは
巫女のような立場でありながら、だいぶやんちゃな女性に描かれていますが
その内面が掘り下げられていくに従って、とても魅力的なキャラになっていきます。
芯が強くて清々しく、誰からも好感を持たれそうな人格をしており、こんなキャラクターはそうそう作れないだろうと感じました。

 ダーナはセイレン島の秘密に大きく関わりを持つキャラクターですが
彼女の生き様を描きながら島の秘密を描いていく流れだけでも秀逸なのですが
後半になると非常にワクワクする展開が待っています。
ダーナがらみの描写の素晴らしさはゲーム後半の没入感を大きく高めていたと思いますし
ここは絶賛したい部分です。
 ダーナとアドルの視点が交互に描かれながらセイレン島の秘密がだんだんと明らかになっていく流れは先が気になって仕方ありませんでしたが
まさか、後半はあのような展開が待っているとは……


 ダーナ以外のキャラクターたちも、特にメインキャラクターたちは
メインストーリーでの活躍はもちろん、豊富なサブイベントも用意されていて
とても深く内面が描かれて、ゲームが進むごとに思い入れが深まっていきます。
キャラクターが魅力的だからストーリーの没入度も高いというわけで
人物描写の巧みさがこのゲームの大きな魅力でした。
こうなるとアクションで彼らを使うのも楽しくなっていくから良いことずくめなんですよね。
 個人的には野生児のリコッタというキャラが、リーチの長い技を振り回せて楽しかったですし、キャラも単純なロリキャラにとどまらない深い魅力があって実に気に入りました。
 もちろん主人公アドルも喋らないのに魅力的な主人公をしていて良かったです。他のキャラクターたちの内面の魅力を引き出すのに実にいい主人公をしているんですよね、正義感や使命感も持っている青年ですが、それよりも冒険家らしく好奇心旺盛で積極的という面が前面に出ているので見ていて面白いというか、他のキャラはもちろん舞台そのものの魅力も引き出せる主人公になっていると思います。
 ただ、彼はキャラ性能の面では横方向に剣を薙ぎ払うフォースエッジという技が強すぎる気はしましたが。攻撃範囲がめっちゃ広い上に発生も早くて硬直も少ないので範囲攻撃とは思えないほど連打できるし消費も軽いということで、こればかり使うキャラになっていました。
 キャラバランスは取れていると前述しましたが、スキルに関しては各キャラとも豊富なのが嬉しい反面、明らかに強い技や反対に使いづらい技は正直ありましたね。


 難点はほとんどありませんが
このゲームにたくさんいるボスのうち、とある高所で出てくる鳥みたいなボスがちょっとクソボスだったかなあとは思いました。遠くで飛んでる時間が長くて攻撃できるタイミングが限られているので、こういうボスはイライラしがち。
他のゲームで例えるとモンスターハンターのリオレウスみたいな感じですね。しかも閃光玉とか無いし。

 あとは、魔物が大挙して襲ってくるのを村のみんなで撃退するイベントである防衛戦というものがありますが、これはわりと好き嫌い分かれそうだなと感じました。
自分でキャラを操作できるタワーディフェンスといった感じのゲーム性で、漂流者の村をモンスターの襲撃から守るべく戦うわけですが、うまく戦うことができれば高い評価を得られて、良いアイテムをもらえたりします。
 普段の探索が能動的なゲーム性であるのに比べて、防衛戦はゲームシステム側が流れを作ってくるので、受動的なゲーム性になっています。防衛戦は単体で見ると面白いシステムをしていて、やっている最中はいかにスコアを稼ぐか考えたりして楽しいのですが、発生時にマップ攻略やストーリーの流れが切られがちなので、個人的にはあまりいい印象は無かったのが惜しいところですね。
 ただ、箸休めとしては良いと思いますし、一部の強制イベントのとき以外は無視しても大丈夫っぽいので、好みでなければあまりやらなくていい感じなのはありがたいです。


 システム面について他に挙げると、他にも畑を作ったり釣りで魚を集めたり良い景色を探したりキャラクターの好感度を上げたりと、システムが盛れるだけ盛られている感があり、やれることがめちゃくちゃ多いゲームです。しかも、そのどれにもちゃんと報酬があるのでやりがいがあり、とても楽しいですね。やればやるほど本編の攻略に好影響があるというのも好ポイントです。
 メインとなるアクションRPGによる探索以外の要素は、取捨選択して好きな要素をつまんで楽しんでいけますし、やり込み派なら全部の要素をコンプリートすることを目指したりと、プレイヤーのやり方しだいでいろいろな楽しみ方ができると思います。



 というわけで、とても満足できた作品でした。
ゲーム性もキャラクターもストーリーもほとんど文句無しのクオリティで、
しかもそれらの要素がそれぞれに絶妙に噛み合って互いを高めあっていました。
それにもちろん、ファルコムだけあってBGMもかっこいい曲がたくさんあって
聴き応えがありましたし、全体的に非常に遊びごたえが良かった。
名作と言っていい作品だと思いますし、とても面白くて2周してしまいました。
RPGやARPGで2周したのは子供の頃以来かも。たいてい1周で満腹になるので。

 今年は新作のイース10が発売されるとのことなので、
それまでに9もクリアしておきたいと思っています。
8が名作だったおかげで、子供の頃以来にイース熱が高まりました。


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