2024年05月16日

ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマード・コア6)  感想

 最近、アーマード・コア6をクリアしましたので、
今回はこのゲームの感想を書こうと思います。

 本作はフロム・ソフトウェアの3Dロボットアクションゲームシリーズ、
アーマードコアの最新作(2024年現在)。
自分はアーマードコアシリーズをやったことがありませんでしたので、
このAC6が初プレイとなります。なお、プレイしたのはSteam版です。
 3周クリアまでの所要時間は55時間ほど。

 ネタバレは極力排除したつもりですが、ある程度は設定やボス名、
武器などへの言及はあります。ご了承ください。

 身内におすすめされてプレイしたこのゲームですが、
フロム・ソフトウェアといえば高難度のゲームで有名なメーカー……
(ちなみに私はフロム・ソフトウェアのゲーム自体ほぼ初プレイに近いです)
3Dアクションゲームはあんまりやらない自分のようなプレイヤーが果たして楽しめるのか、
多少の不安はありましたが、実際プレイしてみると懸念は杞憂に終わりました。
たいへん面白いゲームでした。

 難易度は高いとは思いましたが、
プレイヤーが腕前を上げていくことを期待しているような設計になっており、
自機であるロボを操作するのが上手くなっていくことはもちろん、
強行動やセオリーを理解したり、
状況に合わせた武器の使い分けなどが分かってきたりなど、
ゲームをプレイしていくうちに上達していけるように作られています。
 この上達を味わわせるために、高い難度が必要だったんでしょうね。
実際、強いボスが倒せずに何時間も試行錯誤して、ようやく突破したとき、
プレイヤーはそれまでよりも明らかに上手くなっています。
初見のときはあれほど強く感じたボスを2周目にあっさり倒せたとき、
それを実感することができます。

 このゲームには難易度選択というものがありませんので、
難しさをしっかり突破していかねばなりません。
 近年は難易度選択をつけて、クリアできないプレイヤーには
簡単な難度を選ぶことで突破できるようにしている設計のゲームが多い中、
本作のような何度も死ぬこと前提の難度設計はだいぶ攻めたものだと思いますが、
こういう手応えのある作品もいいものだなあと思いました。
 思えばファミコンとかPC-88の頃のようなゲーム黎明期は
こういった難度の作品が多数派だったと思いますが、
現代になってもこういうタイプの難度のゲームが大ヒットしているというのは興味深いところです。


 このゲームのいいところは、ロボットアクションゲームとしての操作性の良さ、
演出の良さ、爽快感の素晴らしさがまず挙がります。
とにかくキビキビと自機が動くので気持ちいいですし、
上手くなると非常にかっこよく動くことができて成長するのが楽しいです。
効果音、グラフィック、エフェクトなど演出のセンスの良さもそれに拍車をかけており、
ロボットを動かす醍醐味を存分に味わわせてくれます。
 ロボをかっこよく猛スピードで動き回らせて敵を撃破していく爽快感は
病みつきになるのが当然というもので、
こうした搭乗型ロボットが好きならたまらないものがあるでしょう。
私もガンダムとかダンバインとかボトムズとかああいうアニメは大好きでしたので、
このゲームには見事にハマりました。

 そしてこのゲーム、自機のパーツを自由に組み替えて
好みの性能の機体にできるアセンブルと呼ばれる要素がとても楽しい。
非常に自由度が高く、遊びの幅が広いなと感じました。
 ブレードやショットガンを装備して軽量のパーツで組んだ接近戦主体の機体にしたり、
ミサイルやレーザーキャノンで中距離や遠距離から攻める重装機体にしたりと、
プレイヤーの好みで色々変えられるのが実に楽しいです。
武器はおろか、機体のパーツもいろいろ自由度があって、
下半身を戦車にしたり4脚にしたりできるのも面白いですね。もちろん性能も大きく変わりますし。
 もちろん攻略の上でも、そのステージがどういう機体構成で臨むのが
向いている内容なのかによって、いかにそれに合わせたアセンブルを考えるか
というのも重要ですし、試行錯誤を楽しめるゲームになっているんですね。


 私は3周クリアするまで接近戦武器はほとんど使わず、
ガトリング、バズーカ、垂直プラズマミサイル、レーザータレット、
この4つでほぼ全部突破していきました。
今思うと使った武器の少なさがもったいないような気がしますし、
もっと柔軟な思考ができるプレイヤーなら色々試したんだろうなと思います。
 どうも自分はどんなゲームでも一度うまくいったやり方に固執する癖があるので、
ガトリングやレーザータレットの強さに気づいたあとはそればかり使っていた結果、
これらが通用しにくいボスで苦労することになるんですね。
 でも、そんなプレイヤーでも何とかなってしまうあたりが強武器たるゆえんなんですけど。

 接近戦武器の強さは、3周クリア後にのんびり過去ミッションリプレイを
遊んだときに使ってみて理解しました。
接近戦武器を使っていれば、あのボスはもっと楽に突破できただろうなあ……と実感しましたね。
 今はいろいろなミッションを軽量レーザーランス機体で楽しんでいます。
もちろんバズーカとかも気持ちよくて好きなので、色々気分しだいで遊んでますけどね。


 と、ここまでゲーム性についてのみ書いてきましたが、
本作はストーリーもたいへん面白かったです。
 ルビコン3という惑星における、「コーラル」と呼ばれる先進エネルギーを巡る企業間の争い、
その惑星を隔離し管理しようとする惑星封鎖機構という警察のような組織、
企業や惑星封鎖機構の圧力に抵抗する土着住民の武装ゲリラ組織・ルビコン解放戦線……
こうした様々な勢力が4つ巴ぐらいの争いを繰り広げる中、
プレイヤーはとある人物の導きにより、独立傭兵として企業や組織を問わずに、
やってきた依頼を引き受ける形でルビコンの争いに身を投じていきます。
 この、どの組織にも属さない立ち位置にいることが非常に面白く、
各勢力の争いを俯瞰して楽しめますし、平等に感情移入することができるのがいいですね。
組織ごとの個性、属しているキャラクターたちの人格などもそれぞれ多彩に作られており、
キャラクターはみんな魅力的です。

 ちなみに本作は人間がビジュアルとして登場することはほぼなく、
他のキャラクターとのコミュニケーションは通信による声のみで行われています。
キャラクターにビジュアルが一切ないことが本作の雰囲気の重厚さを助けているので、
この仕様は正解だと思います。

 雰囲気は渋くて重厚で、いい意味で無機質な空気感が素晴らしいです。
コーラルの暴走による災害と汚染で荒廃した惑星ルビコン3は、
その設定通りの雰囲気がしっかりと作られています。
 荒廃した無機質な雰囲気の世界にコーラルという赤いエネルギーの有機性が
異質さを持って際立つように描かれており、コーラルがいかに作品において
いかに重要な要素であるか強調されていたのが印象的でした。

 コーラルを巡る企業や武装組織同士の争いに関わっていくうちに
深く描かれていく世界観は魅力的で、ルビコン3という星やコーラルが
どういう運命をたどるのか先が気になって、どんどん進めたくなります。
 まあ、その欲求にゲームの難しさが待ったをかけてくるのですが、
逆にストーリーが魅力的だからこそ、その難しさを突破して先を見たいという意欲が
湧く面もあるので、ゲーム性とストーリーが互いを引き立て合って
プレイ意欲を煽ってくれていると言えます。
 エンディングは3つあり、オートセーブのゲームなので
全部のエンドを見ようと思ったら3周することになりますが、
どのエンドも全部まるっと解決とはいかない内容になっており、
スッキリしない部分が残る内容になっております。
その分、プレイヤーが未来を選択したという重みを味わえるので、
これはこれで良いと思いますし、
エンディング自体はどれも味わい深い内容になっていて満足感が大きかったです。

 ちなみに、ストーリー自体はわかりやすく描写されていましたが、
細部や物語の裏側、各キャラクターの背景などはハッキリ描写されていない部分も多く、
考察の余地もおおいにあるのが良いですね。
描くべき部分と、そうでないと判断されたであろう部分のバランス取りは絶妙であり、
ストーリーとして理想的な塩梅と言っていいと思います。


 そんなわけで、ストーリーもゲーム性も非常に魅力的なゲームでした。
 3Dアクションゲームにあまり馴染みがなかった私でも
根気よくプレイすることで上手くなっていけたので、
ゲームとしては難しいながらも優れたバランス設計をしていると思います。
長時間同じボスで詰まっても、他の武器を試せばなんとかなるかも、とか、
こう動けばもっと良くなるかも、とか思わせてくれるので、
折れずに再挑戦する気になれるといいますか、
プレイヤーの挑戦意欲を持続させるのが上手いつくりのゲームと言えるのかも……
 もしくは、普通なら心が折れる難しさであるところを、
あまりの面白さによってプレイ意欲を持続させられてしまうゲームであるのかもしれません。

 このゲームは今後もやり込んでいきたいと思っており、
戦闘ログ集めや装備集めを楽しんでいこうかなと思っています。
 全ミッションSランクの実績もあるようですが、
これはちょっと二の足を踏んでしまいますので、やるかどうかは迷うところです。
Sランクを目指そうとするとストレスがかかりそうなミッションもあるんですよね、
アイスワーム戦とか。でも、やれそうなら挑戦しようかなあ。

 フロム・ソフトウェアへの印象はとても良くなったので、
エルデンリングとか、同じメーカーの他の作品もやってみたくなりました。
近年評判がいいだけあって、良いゲームを作るメーカーですね。
 あとは、できれば過去のアーマードコアシリーズもやってみたいところです……
が、過去作はどれも現行機種には移植されていないようですので(2024年5月現在)
手を出すのは難しそう。






 最後に、自分が苦労した敵と突破までの所要時間とプレイの内容を
ざっくり記載しておこうと思います。
なお、ネットの攻略は3周クリアするまでは見ずにやりました。
そのせいとは言えませんが、
ターゲットアシスト中は右スティックを触るのが厳禁であるという基本も知らずにやっていたため、
敵を見失って苦戦することが多かったです。


・スッラ 3時間
・エンフォーサー 3時間弱
・アーキバスバルテウス 2時間半
・3周目ラスボス 1時間
・レイヴンの火ルートラスボス 1時間
・バルテウス 1時間
・アイスワーム 1時間弱
※全て初対戦時でのものです
アセンブルは初期~中盤はバズーカと垂直プラズマミサイル主体。
後半は両手ガトリングと両肩レーザータレットがメインで、
たまに片手または両手をバズーカに変えたりしていました。
アサルトアーマーは一度も使用せず、パルスアーマーを使っていました。


 1周目のスッラ戦はこのゲームをやっていて唯一、もう無理かもと思った詰まりポイントでした。
しかし、このスッラ戦で延々と再戦し続けているうちに操作が上手くなっていたのか、
ここを突破できるようになったらその直後のバルテウス戦は
そこまで詰まらなかったのは印象的でした。
自分にとってはスッラがこのゲームの基本を習得するための先生だったな
と、今となっては感じます。
 なおスッラ戦は色々試した結果、接近戦武器は自分の操作が下手で使いこなせず
全然当てられなかったのですが、バズーカで何とかできたのが嬉しかったので、
この後もバズーカばかり使うようになり、逆に接近戦武器は一切使わなくなったという次第です。
我ながら極端な人間だなと思います。

 中盤の難所とされているらしいシースパイダーではそれほど沼らなかったのですが、
それはこのバズーカ主体のアセンブルで接近戦を一切やらないプレイスタイルだった
おかげかもしれません。
しかし、シースパイダーやバルテウスは発売初期と比べて
アプデで弱体化されているらしいので、初期にやったらもっと沼った可能性は高いですが。

 あとは1周目の深度2で現れたエンフォーサーで散々沼らされましたが、
ここで肩武器をいろいろ試してレーザータレットの強さに気づいてからは、
その後の対AC戦で苦戦することは無くなりました。
相手の周りをぐるぐる動きまわりながらタレットをばらまいて
レーザー弾幕を作ってから両手のガトリングで攻める、
という戦い方は実に気持ちが良かった。
レーザータレット君は良きパートナーとして思い入れがあります。
 ちなみに前述の通りターゲットアシストがまともに使えていなかったんですが、
この戦法はレーザータレット配置中は敵を見失っていても別に大丈夫……
というかカメラが敵を追跡していない状態のほうが逆にやりやすいまであったので、
自分のプレイの仕方とも相性が良かったと言えます。
 なお、難所のはずのアイビスシリーズに対してもこの戦い方が有効であったため、
それほど苦戦せずに済んだのですが、運が良かったと思います。
たぶんレーザータレットの強さに気づいてなかったら沼ってたと思うので……

 それ以外では、各周のラスボス格の相手には順当に苦戦させられたという具合です。
 クリアした今になってネットでゲーム配信者の方々のプレイなどを見ると、
私が苦戦したところをすぐ突破していた一方で私とは違うところで詰まっていたりして、
プレイヤーそれぞれのアセンブルで色々変わるものだなあと思えて面白いですね。



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