スポーツ
2014年12月15日
2014年のJリーグを振り返ってみる
今日はサッカーの話題を少し。
今年もJリーグが閉幕したので、自分が一年観戦した(主にテレビでですが)印象で
上位クラブを中心に振り返ってみようと思います。
ちなみにブログ主は柏レイソルを応援してます。
優勝 ガンバ大阪
J2から昇格した今季、いきなり9年ぶりのリーグ優勝を達成したガンバ。
終盤怒涛の追い上げで逆転優勝を飾ったわけですが、とにかく勢いを感じました。
遠藤、今野といった日本代表にもいまだ名を連ねるベテラン、卓越した技術を持つ宇佐美などの若手、
そしてなんといっても弱点であったGKに東口選手を補強して穴がなくなり、
序盤は足踏みしたものの、後半戦は外国人選手もうまく活用して、とてもいいチームに仕上がっていました。
去年のJ2でもそうでしたが、長谷川健太監督のガンバはスロースターターなところがありますね。
でも最終的には結果を出すのでたいしたものです。
そしてナビスコカップも制覇しており、天皇杯も優勝して3冠を達成。
J2から昇格したばかりでこれは快挙といえるでしょう。
それにふさわしいサッカーをしていましたし、間違いなく今年のナンバーワンチームです。
ただし、それをやすやすと許した他のJ1勢のふがいなさは責められてしかるべきだとも思います。
ガンバはいいチームですが、はっきり言って他に完成度の高いクラブがいなかったことも
優勝の要因として大きいでしょう。
それでも、優勝の価値が下がるわけではもちろんありません。
どん底を味わってからの久々のリーグ優勝は、サポーターには嬉しいことでしょう。
見事な復活劇ですね。昇格即優勝がレイソルだけのものでなくなってしまったのは少しシャクですがw
シルバーコレクターを返上した長谷川健太監督も監督としての評価を大きく上げたと思います。
そして、これだけの結果を出したのだから、エースの宇佐美選手はいいかげん代表に呼ばれるべきでは。
何かアギーレ監督から見て気に入らない点でもあるのかな。
2位 浦和レッズ
昨年に続いてシーズン終盤に大失速した浦和レッズ。
特に32節、33節は試合終盤に踏ん張りきれずに勝ち点を落とし、
最終節も自力優勝の可能性がありながら逆転負け。
ここぞというところで崩れ、06年ではなく07年の再現になってしまいました。
何度も自力で優勝を決めるチャンスがあったのに決められなかったのは惜しまれるでしょうが、
重圧の中で勝ち切る強さがないということは、やはり優勝にふさわしいチームではなかったということなのでしょう。
このチームは何度もこういう経験をしているだけに、サポーターの心情を思うと、かなり気の毒にもなってしまう。
にしても、レッズという名前だからというわけではないでしょうが、リバプールとそっくりですね。
強豪と呼ばれながらリーグ優勝はさっぱりできないこととか、サポーターが問題を起こすことで有名なこととか。
それはともかく、ベテラン、若手ともにいい選手は多いし、ミハイロ・ペトロビッチ監督のもと
良いサッカーをしていたと思うのですが、どうもこの監督はいいチームを作る力はあるものの、
モチベーターとしての能力が極端に低いのではないかと感じます。
思えばサンフレッチェ広島を率いていた頃も、好チームを作りながら
ここ一番の試合で負けてJ2に降格したりしていました。
終盤の失速グセといい、チーム作りになにか問題があるのではないか? と思わざるをえない。
しかしこの監督が来る前の浦和は残留争いをしていたクラブなだけに、
上位に押し上げたペトロビッチ氏は切れないでしょう。
悩ましいところでしょうね。
まあ、なぜかすごく悲惨な気がしますけど、2位ではあるんですよね。
中位をうろうろして終わったり降格したりしたチームよりはよっぽど立派な成績であることは間違いない。
Jリーグで最高の動員力を誇る人気チームなのですから、今後も頑張って良いサッカーをして欲しいものです。
3位 鹿島アントラーズ
黄金期を支えた選手たちが衰え、世代交代の時期にありながら、3位と上位でフィニッシュ。
エースストライカーの大迫選手がドイツに移籍した上、20歳前後の若手が主力に多いにもかかわらずこの成績。すごい。
柴崎選手が代表に選出されるなど、充実したチーム状況にあるように思えます。
辛抱強く若手を使ったこともあってか、勝負どころの試合でコロッと負けたりする姿もよく見ましたので
チームとして不満のないシーズンではなかっただろうとは思いますが、
でも今季若手が経験を積んだことは将来かならず大きな財産になるはず。
昌子、植田、赤崎といった選手たちは今後も伸びそうだなーと他人ごとながら見てて思いました。
いい若手を育てることができるのはこのチームの強みですし、
トニーニョ・セレーゾ監督も采配に隙はあるものの相変わらず安定した成績を残す監督ですね。
このチームの未来は明るそうです。
4位 柏レイソル
今季のレイソルは成績に波のある一年でした。特にW杯直前から夏場にかけて、
アウェーでまったく勝ち点を取れなかったのが最後まで響いた感じです。
終盤はガンバや鹿島を破るなどして絶好調でしたし、最終的には上位に肉薄していましたから、
夏までのアウェーゲームで少しでも勝ちを拾えていれば、
そして田中順也選手のポルトガル移籍の穴を埋めることができていれば、
工藤選手が去年なみの活躍をしてくれていれば、もっと上を狙えたかもしれない……
などと色々たらればを口にしたくなります。今季は流れ次第では充分優勝のチャンスがあっただけに。
とにかく序盤のTJは素晴らしい出来で、ものすごいキレを感じたものです。
だからこそ、現在ポルトガルで出場機会のない状態なのが残念。
それにしてもホーム最終節のネルシーニョ監督とのお別れセレモニーはちょっと涙腺に来ました。
5年半で4つのタイトルをもたらし、ACLやCWCの舞台へチームを導いてくれた偉大な監督との日々は幸せなものでした。
去年はちょっと騒動もあったけどねw
そして偉大な監督が去った後だからこそ、来季は大事。ちゃんとした監督が後を継いでほしい。
このクラブは過去に妙ちくりんな人事でチームを壊滅させてきたことはまだ忘れられません。
ここ数年の成績がいいから勘違いしそうになりますが、フロントの質はよくないのです。
ネルシーニョ監督が来るまでは昇降格を繰り返していたんですから。その轍を踏んで欲しくはない。
レイソルサポの端くれとしては、感慨と不安が相半ばするシーズン終了を迎えた感じですね。
シーズンオフは何よりも新監督が誰になるかの動向に注目です。
噂されているように吉田さんがやるのだとしたら不安でいっぱいなんですが、どうなるかなあ。
しかも来年はACLもあるし、舵取りを間違えると大変なことになりそう。
5位 サガン鳥栖
このチームの今季は、なんとも言いがたい内容でした。
上位4クラブは国内有数の大企業がバックについているチームですが、
それに比べて鳥栖は典型的な地方の小クラブで、低予算で運営していることは有名です。
それが近年はユン・ジョンファン監督のもと、J1昇格後いきなり上位に進出し、
今季にいたっては前半戦を2位で終え、夏場には首位に踊り出たりと大躍進していたわけです。
それなのに突然、躍進の立役者であるユン・ジョンファン監督が解任され、誰もが首をかしげたことでしょう。
おそらくフロントとの対立などがあったのだと思われますが、はっきり言って意味不明の解任劇でしたし、
他の上位クラブと比べて選手層の薄さは明らかでしたから、この監督交代で失速していくだろうと思われました。
しかし、確かに多少の失速はあったものの、終盤も強豪相手に踏ん張り続け、上位をキープしたまま終了。
まず上出来のシーズンだったと言ってもいいのでしょうが、このチームは来季以降が注目されますね。
カリスマ監督がいなくなった後だけに、日本代表の豊田選手をはじめ、主力は残留するのか。
なにしろこのクラブは選手の年俸は安いはずです。この状況で、チーム力を果たして維持できるのでしょうか。
これでいきなり来季から残留争いし始めたらフロントはメンツ丸つぶれでしょうから、動きが気になります。
・残留争い
残留争いについては、早々に徳島の降格が決まり、残り2枠は終盤までもつれたものの、
最後まで迷走を続けたセレッソ大阪と、大宮が最終節の健闘もおよばず初めての降格となりました。
徳島は昇格後に補強がほとんど見られず、逆に中盤の軸であった柴崎選手が広島に移籍するなどして
むしろJ2時代よりも戦力ダウンして開幕を迎えた感すらあったので、最下位での降格は妥当でしょう。
奮闘していた試合もたまに見たけど、戦力不足は明らかでした。
セレッソは同じ大阪をホームとするガンバと明暗がくっきり分かれましたね。
フォルラン、カカウといった大物外国人の補強は話題になったものの、
フォルランはチームにいまいちフィットしておらず、W杯後は得点力が落ちて出場機会も激減、
カカウは途中加入ながら光るプレーを随所に見せ、得点も取っていましたが、なぜか監督にあまり起用されず、
と、二人とも戦力としていまいち活用されていない感がありました。
監督人事でも迷走し、今期から就任したポポビッチ監督はそこそこ程度のレベルのチームしか作れず
途中解任されましたが、その後に就任したペッツァイオリ監督、大熊裕司監督も
チームを立て直すどころかポポビッチ監督以下の成績しか残せず、
チーム状態が上向くことなく降格、という流れでした。
夏に柿谷選手がスイスに移籍したこともかなり響いたように見えますが、
振り返ってみればそもそも去年までのブラジル路線から転換したのが間違いだったとしか言いようがありません。
とはいえ自分はそれほどたくさんセレッソの試合を見ていないので、
セレッソサポーターでないと深いところはわからないでしょうが。
にしてもフォルランはいなくなるだろうけど、カカウは本当に来年J2でやる気だろうか。
大宮はJ1昇格以降、毎年のように残留争いを続けてきたチームですが、ついに力尽きたという感じでしょうか。
去年の監督解任騒動の影響は間違いなくあるとは思いますが……このクラブのことは詳しくはよくわかりません。
資金力はあるチームのはずなので、J2に落ちても適切に補強すればすぐに帰ってきそうな気はします。
戻ってこれたら、今度は残留争いをしないですむチームを作れればいいですね。
いくら粘り強くても、毎年残留争いをしてたら、やっぱそのうち落ちてしまうでしょう……
・J2について
今年のJ2はとてもおもしろかった。湘南が早々に独走態勢を作ってぶっちぎりで優勝、
松本山雅も後半戦で2位をキープし、残る昇格枠は3~6位の4チームによるプレーオフで争われる1枠、
という状況になってからが面白かった。
いい選手を多く抱えながら煮え切らない試合が多かった磐田、
関塚監督になってから粘り強いチームになった千葉、
そして山形や大分などが絡む形でプレーオフ枠争いが展開され、最後までどこが残るか楽しく見ていけました。
プレーオフは結局、3位千葉、4位磐田、6位山形で争われましたが、
5位に入った北九州がスタジアムの問題でJ1ライセンスを交付されず、プレーオフに出場できなかったのは残念ですね。
オランダリーグなんて数千人しか入らないスタジアムでも1部に居られるのだし、
Jもスタジアムに厳格な基準なんていらないと思うのですが……
それはともかく、このプレーオフは毎年とにかく劇的で面白いですね。
引き分けの場合はシーズン上位のクラブが勝ち抜けというルールのトーナメントなわけですが、
このおかげで普段のリーグ戦とは違った駆け引きが見られるのがいい。
磐田―山形の1回戦では、1-1で終盤を迎えて守りに入った磐田が
終盤にCKから失点して敗れたわけですが、このとき決勝点をあげた山岸選手のゴールは本当にびっくりした。
試合終盤のセットプレー時にゴールキーパーが前線に上がっていくのはたまに見る光景ですが、
それでゴールキーパーがあんな見事なヘディングでのゴールを決めたのは初めて見ました。
Jの歴史でも初めてだったらしいですねw
PKとかなら見たことありますし、南米ではFKの得意なGKがいたのも有名な話ですが、
ヘディングとなると世界でも珍しいのでは。
しかもFWでもそうそう決められないような見事なそらし型のヘディングゴールでしたし、あれは本当に素晴らしかった。
逆に磐田にとっては悪夢だったでしょうが、今年はJ1でもJ2でも
試合終盤に守りきれないチームが目立ったなと感じます。
ともあれ、そのまま勢いに乗って千葉も撃破して山形が昇格決定となりましたが、
天皇杯の決勝を見る限りJ1でもそれなりに戦えそうなチームだなと思えたので、来年は楽しみですね。
今までプレーオフ枠で昇格したチームは即降格しているので、その流れを断ち切ってもらいたいところです。
そんなこんなで今年のJも終わってしまいました。
リーグMVPは遠藤選手になりましたけど、個人的には宇佐美選手のほうが印象に残ったなあ。
得点力も突破力も素晴らしいものがあり、Jの歴史上でも有数のアタッカーだと思います。
なぜ代表に選ばれないのか本当に分からない。
あと、ガンバも浦和もシーズン前に良いGKを補強して守備が大きく改善され、
結果、揃って上位に進出したのが印象的でした。
W杯と同様、GKの重要性が大きく現われたシーズンだったと言えるでしょうね。
来年のJ1は前半と後半に分けての2ステージ制となり、最終的にプレーオフで優勝を決める形になるようで
個人的にはかなり残念で、レイソルの試合以外は見なくてもいいかなという気持ちになっています。
変わらず1ステージ制のままのJ2のほうがリーグとして面白そうだし……
でもまあ、始まってしまえばなんだかんだで見ているかもしれませんけどね。
今年もJリーグが閉幕したので、自分が一年観戦した(主にテレビでですが)印象で
上位クラブを中心に振り返ってみようと思います。
ちなみにブログ主は柏レイソルを応援してます。
優勝 ガンバ大阪
J2から昇格した今季、いきなり9年ぶりのリーグ優勝を達成したガンバ。
終盤怒涛の追い上げで逆転優勝を飾ったわけですが、とにかく勢いを感じました。
遠藤、今野といった日本代表にもいまだ名を連ねるベテラン、卓越した技術を持つ宇佐美などの若手、
そしてなんといっても弱点であったGKに東口選手を補強して穴がなくなり、
序盤は足踏みしたものの、後半戦は外国人選手もうまく活用して、とてもいいチームに仕上がっていました。
去年のJ2でもそうでしたが、長谷川健太監督のガンバはスロースターターなところがありますね。
でも最終的には結果を出すのでたいしたものです。
そしてナビスコカップも制覇しており、天皇杯も優勝して3冠を達成。
J2から昇格したばかりでこれは快挙といえるでしょう。
それにふさわしいサッカーをしていましたし、間違いなく今年のナンバーワンチームです。
ただし、それをやすやすと許した他のJ1勢のふがいなさは責められてしかるべきだとも思います。
ガンバはいいチームですが、はっきり言って他に完成度の高いクラブがいなかったことも
優勝の要因として大きいでしょう。
それでも、優勝の価値が下がるわけではもちろんありません。
どん底を味わってからの久々のリーグ優勝は、サポーターには嬉しいことでしょう。
見事な復活劇ですね。昇格即優勝がレイソルだけのものでなくなってしまったのは少しシャクですがw
シルバーコレクターを返上した長谷川健太監督も監督としての評価を大きく上げたと思います。
そして、これだけの結果を出したのだから、エースの宇佐美選手はいいかげん代表に呼ばれるべきでは。
何かアギーレ監督から見て気に入らない点でもあるのかな。
2位 浦和レッズ
昨年に続いてシーズン終盤に大失速した浦和レッズ。
特に32節、33節は試合終盤に踏ん張りきれずに勝ち点を落とし、
最終節も自力優勝の可能性がありながら逆転負け。
ここぞというところで崩れ、06年ではなく07年の再現になってしまいました。
何度も自力で優勝を決めるチャンスがあったのに決められなかったのは惜しまれるでしょうが、
重圧の中で勝ち切る強さがないということは、やはり優勝にふさわしいチームではなかったということなのでしょう。
このチームは何度もこういう経験をしているだけに、サポーターの心情を思うと、かなり気の毒にもなってしまう。
にしても、レッズという名前だからというわけではないでしょうが、リバプールとそっくりですね。
強豪と呼ばれながらリーグ優勝はさっぱりできないこととか、サポーターが問題を起こすことで有名なこととか。
それはともかく、ベテラン、若手ともにいい選手は多いし、ミハイロ・ペトロビッチ監督のもと
良いサッカーをしていたと思うのですが、どうもこの監督はいいチームを作る力はあるものの、
モチベーターとしての能力が極端に低いのではないかと感じます。
思えばサンフレッチェ広島を率いていた頃も、好チームを作りながら
ここ一番の試合で負けてJ2に降格したりしていました。
終盤の失速グセといい、チーム作りになにか問題があるのではないか? と思わざるをえない。
しかしこの監督が来る前の浦和は残留争いをしていたクラブなだけに、
上位に押し上げたペトロビッチ氏は切れないでしょう。
悩ましいところでしょうね。
まあ、なぜかすごく悲惨な気がしますけど、2位ではあるんですよね。
中位をうろうろして終わったり降格したりしたチームよりはよっぽど立派な成績であることは間違いない。
Jリーグで最高の動員力を誇る人気チームなのですから、今後も頑張って良いサッカーをして欲しいものです。
3位 鹿島アントラーズ
黄金期を支えた選手たちが衰え、世代交代の時期にありながら、3位と上位でフィニッシュ。
エースストライカーの大迫選手がドイツに移籍した上、20歳前後の若手が主力に多いにもかかわらずこの成績。すごい。
柴崎選手が代表に選出されるなど、充実したチーム状況にあるように思えます。
辛抱強く若手を使ったこともあってか、勝負どころの試合でコロッと負けたりする姿もよく見ましたので
チームとして不満のないシーズンではなかっただろうとは思いますが、
でも今季若手が経験を積んだことは将来かならず大きな財産になるはず。
昌子、植田、赤崎といった選手たちは今後も伸びそうだなーと他人ごとながら見てて思いました。
いい若手を育てることができるのはこのチームの強みですし、
トニーニョ・セレーゾ監督も采配に隙はあるものの相変わらず安定した成績を残す監督ですね。
このチームの未来は明るそうです。
4位 柏レイソル
今季のレイソルは成績に波のある一年でした。特にW杯直前から夏場にかけて、
アウェーでまったく勝ち点を取れなかったのが最後まで響いた感じです。
終盤はガンバや鹿島を破るなどして絶好調でしたし、最終的には上位に肉薄していましたから、
夏までのアウェーゲームで少しでも勝ちを拾えていれば、
そして田中順也選手のポルトガル移籍の穴を埋めることができていれば、
工藤選手が去年なみの活躍をしてくれていれば、もっと上を狙えたかもしれない……
などと色々たらればを口にしたくなります。今季は流れ次第では充分優勝のチャンスがあっただけに。
とにかく序盤のTJは素晴らしい出来で、ものすごいキレを感じたものです。
だからこそ、現在ポルトガルで出場機会のない状態なのが残念。
それにしてもホーム最終節のネルシーニョ監督とのお別れセレモニーはちょっと涙腺に来ました。
5年半で4つのタイトルをもたらし、ACLやCWCの舞台へチームを導いてくれた偉大な監督との日々は幸せなものでした。
去年はちょっと騒動もあったけどねw
そして偉大な監督が去った後だからこそ、来季は大事。ちゃんとした監督が後を継いでほしい。
このクラブは過去に妙ちくりんな人事でチームを壊滅させてきたことはまだ忘れられません。
ここ数年の成績がいいから勘違いしそうになりますが、フロントの質はよくないのです。
ネルシーニョ監督が来るまでは昇降格を繰り返していたんですから。その轍を踏んで欲しくはない。
レイソルサポの端くれとしては、感慨と不安が相半ばするシーズン終了を迎えた感じですね。
シーズンオフは何よりも新監督が誰になるかの動向に注目です。
噂されているように吉田さんがやるのだとしたら不安でいっぱいなんですが、どうなるかなあ。
しかも来年はACLもあるし、舵取りを間違えると大変なことになりそう。
5位 サガン鳥栖
このチームの今季は、なんとも言いがたい内容でした。
上位4クラブは国内有数の大企業がバックについているチームですが、
それに比べて鳥栖は典型的な地方の小クラブで、低予算で運営していることは有名です。
それが近年はユン・ジョンファン監督のもと、J1昇格後いきなり上位に進出し、
今季にいたっては前半戦を2位で終え、夏場には首位に踊り出たりと大躍進していたわけです。
それなのに突然、躍進の立役者であるユン・ジョンファン監督が解任され、誰もが首をかしげたことでしょう。
おそらくフロントとの対立などがあったのだと思われますが、はっきり言って意味不明の解任劇でしたし、
他の上位クラブと比べて選手層の薄さは明らかでしたから、この監督交代で失速していくだろうと思われました。
しかし、確かに多少の失速はあったものの、終盤も強豪相手に踏ん張り続け、上位をキープしたまま終了。
まず上出来のシーズンだったと言ってもいいのでしょうが、このチームは来季以降が注目されますね。
カリスマ監督がいなくなった後だけに、日本代表の豊田選手をはじめ、主力は残留するのか。
なにしろこのクラブは選手の年俸は安いはずです。この状況で、チーム力を果たして維持できるのでしょうか。
これでいきなり来季から残留争いし始めたらフロントはメンツ丸つぶれでしょうから、動きが気になります。
・残留争い
残留争いについては、早々に徳島の降格が決まり、残り2枠は終盤までもつれたものの、
最後まで迷走を続けたセレッソ大阪と、大宮が最終節の健闘もおよばず初めての降格となりました。
徳島は昇格後に補強がほとんど見られず、逆に中盤の軸であった柴崎選手が広島に移籍するなどして
むしろJ2時代よりも戦力ダウンして開幕を迎えた感すらあったので、最下位での降格は妥当でしょう。
奮闘していた試合もたまに見たけど、戦力不足は明らかでした。
セレッソは同じ大阪をホームとするガンバと明暗がくっきり分かれましたね。
フォルラン、カカウといった大物外国人の補強は話題になったものの、
フォルランはチームにいまいちフィットしておらず、W杯後は得点力が落ちて出場機会も激減、
カカウは途中加入ながら光るプレーを随所に見せ、得点も取っていましたが、なぜか監督にあまり起用されず、
と、二人とも戦力としていまいち活用されていない感がありました。
監督人事でも迷走し、今期から就任したポポビッチ監督はそこそこ程度のレベルのチームしか作れず
途中解任されましたが、その後に就任したペッツァイオリ監督、大熊裕司監督も
チームを立て直すどころかポポビッチ監督以下の成績しか残せず、
チーム状態が上向くことなく降格、という流れでした。
夏に柿谷選手がスイスに移籍したこともかなり響いたように見えますが、
振り返ってみればそもそも去年までのブラジル路線から転換したのが間違いだったとしか言いようがありません。
とはいえ自分はそれほどたくさんセレッソの試合を見ていないので、
セレッソサポーターでないと深いところはわからないでしょうが。
にしてもフォルランはいなくなるだろうけど、カカウは本当に来年J2でやる気だろうか。
大宮はJ1昇格以降、毎年のように残留争いを続けてきたチームですが、ついに力尽きたという感じでしょうか。
去年の監督解任騒動の影響は間違いなくあるとは思いますが……このクラブのことは詳しくはよくわかりません。
資金力はあるチームのはずなので、J2に落ちても適切に補強すればすぐに帰ってきそうな気はします。
戻ってこれたら、今度は残留争いをしないですむチームを作れればいいですね。
いくら粘り強くても、毎年残留争いをしてたら、やっぱそのうち落ちてしまうでしょう……
・J2について
今年のJ2はとてもおもしろかった。湘南が早々に独走態勢を作ってぶっちぎりで優勝、
松本山雅も後半戦で2位をキープし、残る昇格枠は3~6位の4チームによるプレーオフで争われる1枠、
という状況になってからが面白かった。
いい選手を多く抱えながら煮え切らない試合が多かった磐田、
関塚監督になってから粘り強いチームになった千葉、
そして山形や大分などが絡む形でプレーオフ枠争いが展開され、最後までどこが残るか楽しく見ていけました。
プレーオフは結局、3位千葉、4位磐田、6位山形で争われましたが、
5位に入った北九州がスタジアムの問題でJ1ライセンスを交付されず、プレーオフに出場できなかったのは残念ですね。
オランダリーグなんて数千人しか入らないスタジアムでも1部に居られるのだし、
Jもスタジアムに厳格な基準なんていらないと思うのですが……
それはともかく、このプレーオフは毎年とにかく劇的で面白いですね。
引き分けの場合はシーズン上位のクラブが勝ち抜けというルールのトーナメントなわけですが、
このおかげで普段のリーグ戦とは違った駆け引きが見られるのがいい。
磐田―山形の1回戦では、1-1で終盤を迎えて守りに入った磐田が
終盤にCKから失点して敗れたわけですが、このとき決勝点をあげた山岸選手のゴールは本当にびっくりした。
試合終盤のセットプレー時にゴールキーパーが前線に上がっていくのはたまに見る光景ですが、
それでゴールキーパーがあんな見事なヘディングでのゴールを決めたのは初めて見ました。
Jの歴史でも初めてだったらしいですねw
PKとかなら見たことありますし、南米ではFKの得意なGKがいたのも有名な話ですが、
ヘディングとなると世界でも珍しいのでは。
しかもFWでもそうそう決められないような見事なそらし型のヘディングゴールでしたし、あれは本当に素晴らしかった。
逆に磐田にとっては悪夢だったでしょうが、今年はJ1でもJ2でも
試合終盤に守りきれないチームが目立ったなと感じます。
ともあれ、そのまま勢いに乗って千葉も撃破して山形が昇格決定となりましたが、
天皇杯の決勝を見る限りJ1でもそれなりに戦えそうなチームだなと思えたので、来年は楽しみですね。
今までプレーオフ枠で昇格したチームは即降格しているので、その流れを断ち切ってもらいたいところです。
そんなこんなで今年のJも終わってしまいました。
リーグMVPは遠藤選手になりましたけど、個人的には宇佐美選手のほうが印象に残ったなあ。
得点力も突破力も素晴らしいものがあり、Jの歴史上でも有数のアタッカーだと思います。
なぜ代表に選ばれないのか本当に分からない。
あと、ガンバも浦和もシーズン前に良いGKを補強して守備が大きく改善され、
結果、揃って上位に進出したのが印象的でした。
W杯と同様、GKの重要性が大きく現われたシーズンだったと言えるでしょうね。
来年のJ1は前半と後半に分けての2ステージ制となり、最終的にプレーオフで優勝を決める形になるようで
個人的にはかなり残念で、レイソルの試合以外は見なくてもいいかなという気持ちになっています。
変わらず1ステージ制のままのJ2のほうがリーグとして面白そうだし……
でもまあ、始まってしまえばなんだかんだで見ているかもしれませんけどね。